エネルギー論争の盲点

【第1章】エネルギー問題がなぜ重要なのか

▼エネルギー源の利用価値を判定する9基準
①汎用性・どんな用途でも利用できるか
②量的柔軟性・出力の大小を調整可能か
③貯蔵と運搬
④ユビキタス性・時期と場所を選ばず利用可能か
⑤エネルギー密度・面積、体積、重量あたりのエネルギー量
⑥出力密度・時間あたりのエネルギー量
⑦出力安定性・
⑧環境負荷・
⑨供給安全保障・安定供給のための政治的リスク
9基準+コストで判定

▼現代のエネルギー
熱源:化石燃料(石油、石炭、天然ガス)、ウランの原子力
動力源:水力、風力
再生可能エネルギー源:太陽光
熱源は動力にも電気にも変換できる。逆も可能。
電気はエネルギー源ではなく、エネルギー媒体。

化石燃料は、太陽エネルギーが生んだ生物や地熱が濃縮貯留された「貯金」。太陽エネルギーの「ストック」。再生可能エネルギーは、日々の太陽エネルギーの「フロー」を利用するもの。毎月の「給料」。化石燃料の使用は、一時的に贅沢な生活ができるが、時間が経てば貯金は底をつく。再生可能エネルギーで生活すれば、効率が悪く贅沢は無理だが、半永久的に続けられる。
→考え方の転換が必要!パラダイムシフト

現代文明は、高効率・高温のエネルギー源を大量投入しないと維持不能。鉄とコンクリートに代表される、エネルギー源を大量消費してしか製造できない基礎物資の上に社会が成り立っているので、些細な省エネを実践しても何も変わらない。

▼調べるデータ
エネルギー消費(家庭、工業、)
世界人口の推移・国連人口部
エネルギー消費の推移・「エネルギー環境史」

【第2章】技術革新の陰に化石燃料あり
エネルギー源は「量」だけでなく「質」も考えなくてはいけない
世界のエネルギー消費の9割は、高効率、低エントロピーな化石燃料と原子力でまかなっている。

▼石油のメリット
①重量、体積あたりのエネルギー量の多さ
②使い勝手が良い。液体、低揮発性。貯蔵、輸送が楽。出力調整が簡単
③石炭に比べて環境負荷が少ない

▼エネルギー産出/投入比率
EROI:Energy Return on Invested
EPR:Energy Profit Ratio
→EROIのデータは見方によってバラツキがあるので注意が必要

▼調べるデータ
世界のエネルギー消費(エネルギー源別)
各エネルギー源の可採量、何年で枯渇するか
(存在する量ではなく、使用できる資源量)
発電量あたりのCO2排出量