ストーリーを考える2

⓪アンケート

❶発電コスト(原発は本当に安いの?)
 ▼現在
  電気料金の推移(World Japan)
  エネルギー源別の発電単価(電事連、大島、Bloomberg)
  バックエンド事業の費用推計(コスト等検討小委員会)
 ▼将来
  シナリオごとの発電コストの増減

❷GDP(電気料金が高くなると、GDPにどんな影響があるの?)
 ▼現在
  各国のGDPとエネルギー消費量の推移
  エネルギー効率(GDP/エネルギー消費量)
 ▼将来
  シナリオごとのGDPの増減

❸雇用(電気料金が高くなると、雇用にどんな影響があるの?)
 ▼現在

 ▼将来
  シナリオごとの雇用の増減
  ドイツの再生可能エネルギー関連の雇用の増加

米倉山太陽光発電所


出力      10MW (10000kW)
所在地    山梨県甲府市
運転開始日 2012年1月
面積     約20ha
パネル    8万枚

▼1年間の発電実績
 電力量    1440万kWh
 発電効率  1440万kWh / 8760万kWh × 100 = 16.4%
 CO2排出量削減効果  6100t
 http://www.tepco.co.jp/cc/direct/images/130128a.pdf

PR施設「ゆめソーラー館やまなし」を併設

扇島太陽光発電所

出力      13MW (13000kW)
所在地    神奈川県川崎市
運転開始日 2011年12月
面積     約23ha
パネル    京セラ製 6万4000枚

▼1年間の発電実績
 電力量    1510万kWh
 発電効率  1510万kWh / 1億1388万kWh × 100 = 13.26%
 CO2排出量削減効果  7000t
 http://www.tepco.co.jp/cc/direct/images/121219a.pdf

浮島太陽光発電所


出力      7MW (7000kW)
所在地    神奈川県川崎市
運転開始日 2011年8月
面積     約11ha
パネル    シャープ製単結晶Si 3万8000枚

▼1年間の発電実績
 電力量    945万kWh
 発電効率  945万kWh / 6132万kWh × 100 = 15.4%
 CO2排出量削減効果  4400t
 http://www.tepco.co.jp/cc/direct/images/120810a.pdf

PR施設「かわさきエコ暮らし未来館」を併設

ストーリーを考える

①現在
 エネルギー源別の発電コスト(原発のコストを考える)
 GDP(エネルギー効率)
 雇用(エネルギー源別就業者数)

②将来
 シナリオごとの発電コストの予測
 シナリオごとのGDPの予測
 シナリオごとの雇用の予測

実演の最後にアンケートをとり、結果を公表する
→どんな質問をする?

Ex)
・原発は必要だと思うか
  Yes
  No
・なぜ必要だと思うか
  電源コストが安いから
  CO2排出量が少ないから
  その他
・電気代がいくら増えるまで我慢できるか
  10円/kWhまで
  5円/kWhまで
  少しでも我慢できない

論点を整理する

原発は本当に安いのか
脱原発を進めて再エネに投資すると、どのくらい電気料金が上がるのか
電気料金が高くなると、どのくらいGDPに影響があるのか
電気料金が高くなると、どのくらい雇用に影響があるのか
ドイツの事例の成功点は
ドイツの事例の問題点は

データを集める


【生産量】
▼石炭の生産量
 OECD/IEA, Coal Information 2011 ←エネルギー白書2012
▼原油の生産量
 BP統計2011 ←エネルギー白書2012
▼天然ガスの生産量
 BP統計2011 ←エネルギー白書2012
▼ウランの生産量
 世界原子力協会(WNA)←エネルギー白書2012

【1次エネルギー】
▼世界のエネルギー源別・1次エネルギー消費量
 BP統計(2012)
 IEA,・Energy Balance 2011 ←エネルギー白書2012
▼日本のエネルギー源別・最終エネルギー消費量
 エネルギー白書2012
 総合エネルギー統計
▼世界の部門別・最終エネルギー消費量
 ●
▼日本の部門別・最終エネルギー消費量
 エネルギー白書2012
 総合エネルギー統計

【電力(2次エネルギー)】
▼世界の発電設備容量の推移
 ●
▼日本の発電設備容量の推移
 資源エネルギー庁「電源開発の概要」「電力供給計画の概要」←エネルギー白書2012
▼世界の発電電力量の推移
 ●
▼日本の発電電力量の推移
 資源エネルギー庁「電源開発の概要」「電力供給計画の概要」←エネルギー白書2012

【Future】
▼世界のエネルギー消費量の見通し
 BP統計(2012)BP Energy Outlook 2030

【Channel】
▼石炭の輸入先
 財務省「日本貿易統計」←エネルギー白書2012
▼原油の輸入先
 資源エネルギー庁「資源・エネルギー統計年報」←エネルギー白書2012
▼LNGの輸入先
 日本関税協会「日本貿易月表」←エネルギー白書2012

【Other】
▼エネルギー源別可採量
 BP統計(2012)
▼エネルギー自給率
 エネルギー白書2012

【CO2 emission】
▼エネルギー源別CO2排出量
 電中研(2010)
 Jacobson(2009)←大島(2010)

【Cost】
▼世界の電気料金の推移
 IEA, ENERGY PRICES & TAXES, 1stQuarter2012 ←エネルギー白書2012
▼日本の電気料金の推移
 電力需要実績(確報)各電力会社決算資料 ←エネルギー白書2012
▼エネルギー源別発電単価
 大島(2010)
 Bloomberg(2013)
▼エネルギー源別総単価(発電+開発+立地)
 大島(2010)
▼産業向け・家庭向け電力価格の推移
 IEA Energy Prices & Tax(2012)←伴(2012)
▼EROI・EPR(エネルギー投入収支比率)
  ●
▼エネルギー効率(GDP/エネルギー消費量)の推移
 WDI online(?)

【Scenario Case】
▼シナリオごとの発電コストへの影響
 伴(2012)
 RITE(2012)
▼シナリオごとのGDPへの影響
 伴(2012)
 RITE(2012)
▼シナリオごとのエネルギー源別就業者数への影響
 伴(2012)

【Renewable】
▼世界の再生可能エネルギー源別導入量
 REN21 Global Status Report(2012)
▼日本の再生可能エネルギー源別導入量
 REN21 Global Status Report(2012)
▼世界の再生可能エネルギー投資額
 REN21 Global Status Report(2012)
▼各国の再生可能エネルギー導入目標値
 ●

【Nuclear】
▼エネルギー源別の国の資金投入の割合
 大島(2010)
▼日本の核燃料サイクル計画のしくみ
 ●
▼日本政府のバックエンド事業の費用推計
 総合資源エネルギー調査会電気事業分科会コスト等検討小委員会(2004)←大島(2010)

【Policy】
▼固定価格制(FIT:Feed-in Tariff)
▼固定枠制(Quota Obligation)
▼競争入札制(biding scheme)

【ドイツ】
▼ドイツの再生可能エネルギー導入手法
 電力供給法 Electricity Feed-in Law(1991)
 再生可能エネルギー法(EEG2000)
 再生可能エネルギー法(EEG2004)
 再生可能エネルギー法(EEG2009)
▼ドイツの再生可能エネルギー源別の設備容量
 BMU(2008)←大島(2010)
▼ドイツの再生可能エネルギー源別の発電量
 BMU(2008) ←大島(2010)
▼ドイツの再生可能エネルギー関連の雇用への影響
 Federal Ministry for the Environment, Nature Conservation and Nuclear Safety(2007)←大島(2010)
▼再生可能エネルギーによって生じる追加費用負担額の予測
 Federal Ministry for the Environment, Nature Conservation and Nuclear Safety(2007)←大島(2010)


【情報源】
 経済産業省資源エネルギー庁 エネルギー白書
 BP   Statistical Review of World Energy
 REN21 Renewable Energy Policy Network for the 21st Century
 Bloomberg New Energy Finance
 World Development Indicators(WDI)
 BMU ドイツ連邦環境省
 RITE 地球環境産業技術研究機構

【研究者(環境経済学)】
 大島堅一(立命館大・国際関係学)
 植田和弘(京都大・経済)
 伴金美(大阪大・経済)

素粒子

▼アーネスト・ラザフォード
 金ぱくに自然放射線(α線)を当てて実験。
 ほとんど通過し、ごくまれに跳ね返ってきた。
 →中身はスカスカなんじゃないの?

▼ニールス・ボーア
 「原子核」の周りを「電子」が回っている模型を考えた。
 ボーア模型を考えたのが28歳、37歳でノーベル賞を受賞した。
  原子の大きさ :10^-10
  原子核の大きさ:10^-15
  原子核は原子の10万分の1の大きさ。
  原子を100立法mの空間だとすると、原子核は1立法mm

▼ヴォルフガング・パウリ
 ニュートリノの存在を予言した。ボーアの弟子。
 中性子は寿命15分で自然に崩壊する。
 中性子が崩壊すると陽子になり、電子が出ているようだが、
 崩壊前の中性子と崩壊後の(陽子+電子)のエネルギーが合わない。
  →エネルギーを持ち去っている粒子(ニュートリノ)が存在するはずだ!

 N → P+ + e- + n
 neutron → positron + electron + neutrino

▼素粒子の種類
<クォーク>
 語源は鳥の鳴き声。ジェームス・ジョイスの小説「フィネガンズ・ウェイク」から取られた。4つの力がすべて働く。クォーク単独で取り出すことには成功していない。
  up   charm   top
  down  strange  bottom


<レプトン>
 語源は「軽い」という意味。
 電子の列には強い力が働かない。
 ニュートリノの列には強い力と電磁気力が働かない。
  electron   muon     tauon
  e_neutrino  m_neutrino  t_neutrino

ハドロン :クォークでできているもの。
バリオン :3種類のクォークからできているもの。
メソン(中間子):偶数のクォークからできているもの。

▼太陽はニュートリノを放っている
 Proton → He + positron(e+) + 電子neutrino
 地球に降り注ぐ光子の数は、
 1平方mあたり1秒間に10^21個(1.37kW)。
 電子ニュートリノは、600兆個。
 人間も1秒間に100兆個の電子ニュートリノを浴びている。
 ニュートリノが地球の岩石に当たる確率は、
 50億個のうち1個が当たるほど。
 一生のうちに何個か当たる程度。

▼宇宙は光とニュートリノであふれている
 宇宙にある物質を平均すると、
 1立方mあたり、
  光子 10億個
  電子ニュートリノ 1億個
  μニュートリノ 1億個
  τニュートリノ 1億個
  陽子 1個
  電子 1個

▼ニュートリノを見るには弱い力を使うしかない
 弱い力は「崩壊させる状況を作り出す」
 電子ニュートリノがぶつかると、
 中性子が陽子に変わり、電子が飛び出す。
 μニュートリノがぶつかると、ミューオン。
 τニュートリノがぶつかると、タウオン。
 (正確には、ニュートリノが中性子に近づくと、  中性子はウィークボゾンを吐き出して陽子に変わる。  ウィークボゾンはニュートリノと合体し電子になる)
 電子、ミューオン、タウオンには電磁気力が働くので測定できる。

 電子などが光速を超える速さで飛び出すと、
 衝撃波の青白い光「チェレンコフ光」を発する。
 (∵物質中では光速が遅くなる。
   水の屈折率は1.3くらいなので、光速は75%になる。)
 この2段階で間接的に観測する。

▼スーパーカミオカンデ
 チェレンコフ光を光電子増倍管で捕らえる装置。
 直径40m、高さ40m。中には5万tの水を入れる。
 電子ニュートリノは崩れたリング状。
 μニュートリノはきれいなリング状。
 τニュートリノは質量が重いので、観測しにくい。
 もともとは「陽子崩壊」を観測するための装置だった。
 1987年2月、マゼラン星雲の超新星爆発で放出されたニュートリノを偶然観測した。   13秒で11個観測。
 「超新星爆発のとき、ニュートリノは10秒ほどに固まって放たれる」。
 天体物理学者がの予想とぴったり合っていた。
 光以外で初めて宇宙を観測した瞬間。
 ニュートリノで星を観測する「ニュートリノ天文学」を開拓。

▼太陽ニュートリノ問題
 太陽から地球に到達するまでに、ニュートリノの数が減っている

▼大気ニュートリノ問題
 太陽からの陽子が地球の大気にぶつかり、
 π中間子→ニュートリノと変化したものが大気ニュートリノ。
 昼と夜で観測される大気ニュートリノの数が違う。
 地球を通過する間に、何かが起こっている!?

▼ニュートリノ振動
 坂田昌一、牧二郎、中川昌美の3人が理論を確立。
 もしニュートリノに質量の差があれば、
 電子ニュートリノ、μニュートリノ、τニュートリノは  互いに変化し合う。

▼強い力
 媒介粒子はグルーオン(glueon)
 強い力はバネのよう。離れれば離れるほど力が強くなる。
 強さは電磁気力の1000倍。 力が働く範囲は、10^-15m。原子核の大きさほど。

▼弱い力
 媒介粒子はウィークボゾン(weak boson)
 「粒子を崩壊させる力」。
  N → P+ + e- + n
  neutron → positron + electron + neutrino
 「ダウンクオークがアップクオークに変わる力」と言い換えられる。
   d → u + W + e- + 反電子n
 ダウンクオークがアップクオークに変わるときに、
 ウィークボゾンが投げられる
 作用距離は10^-18m。1983年に初めて観測された。