【2014年ノーベル物理学賞】ストックホルムに来ています②晩餐会編



ストックホルムで10日に開かれたノーベル賞の授賞式。前回のブログでは授賞式の様子をお伝えしましたが、その後に急いで車に乗り込んで向かったのは「市庁舎」での晩餐会。今回のブログでは、晩餐会の話題を中心に、現地からお伝えしたいと思います。

天野先生の隣は王妃様!

晩餐会の会場は、市庁舎の「ブルーホール」と呼ばれる大広間。1300人が集まりました。当日の会場には、私はもちろん入れませんでしたが(念のため入りたいとメールは送ってみました)、翌日の11日に中に入って取材できました!


天井は突き抜けるように高く、壁一面に広がる赤煉瓦が壮観。2階から広い階段が伸び、大きく折れ曲がって1階に降りています。晩餐会の当日は、この階段の先に受賞者や王宮の方たちが座るための、広間をぶち抜くながーーーい机が。さらにその両脇に、参加者たちが座る机が並べられていました。

地元では「誰がどこに座るか」が話題に。スウェーデンで最も発行部数が多い新聞「Dargens Nyheter(ダーゲンス・ニュヘテル紙)」では、イラストを付けて説明していました。


気になる3人の席は、天野さんがなんとシルビア王妃の隣。地元の公共テレビ局による生中継の映像では、何度もこの2人のツーショットが映し出されていました。最初は天野さんの緊張感が伝わってきましたが、途中からはリラックスしたようで、いつものほがらかな笑顔でした。


一方、中村先生の隣は、(日本で話題になっているらしい?)天野先生の奥様。晩餐会のプログラムは3時間を超えるため、赤崎先生は体調を考慮してメインのテーブルには座りませんでした。

一夜明けたブルーホールへGo!


一夜明けた11日、市庁舎のブルーホールに向かいました。外観も赤レンガが美しいです。


さっそく中に入ると、晩餐会の余韻が残る会場で、照明や音響などの器具の片付け作業が進められていました。


2階への階段を登ったその先には・・・


晩餐会の後にダンスパーティーが開かれた「黄金の間」。名前の通り金色に輝いていました!まぶしい!


壁に近寄るとこんな感じ。1cm四方の石が集まっています。


晩餐会で料理を運んだサーバーの方たちにも出会いました。


晩餐会で振る舞われた料理の食器。きれいですね〜。

ホテルで思わぬ人に遭遇!


さて、続いて向かったのは、ノーベル賞の受賞者たちや家族が宿泊する「グランドホテル」。入り口にたどり着くと、日本から来た記者やカメラマンに遭遇。というわけで、しばらく一緒に待ってみました。(ベルボーイの制服がかっこいい!)


気温2℃、さらに水辺の近くなので風が強いという状況で待つこと2時間。現れたのは・・・赤崎先生!


これから日本にお帰りになるようです。さっそく囲み取材に混ざります。記者「メダルはどうですか?」赤崎先生「重いです」。のような日本で放送されているであろうやりとりが終わった後、赤崎先生が私の目を見て一言。「昨日まで時差ボケで、あまり話せずにすいません・・・」。私「お元気そうでなによりです。ありがとうございます」。最後はほほえみながら、車に乗り込みました。








【2014年ノーベル物理学賞】ストックホルムに来ています



青色発光ダイオードの発明での物理学賞の受賞で、大いに湧いたノーベル賞。発表から早くも2カ月が経ちましたが、福田大展の熱はまだまだ冷めていません! というわけで、授賞式の雰囲気を間近で感じたくて、ストックホルムに来ちゃいました! 今回のブログは、現地から採れたての情報をお届けいたします!

【目次】

いざ!ストックホルムへ!

ヘルシンキから大型フェリーに揺られること17時間半。ストックホルムには、海の玄関口から入りました。現地時間10日午前9時30分、気温は2℃。どんよりと分厚い雲に覆われています。折り畳み傘が裏返るほどの風が吹き、横殴りの冷たい雨が顔に打ち付けます。いきなり北欧の厳しい自然の洗礼を受けました。寒い!


賑わうノーベル博物館

授賞式は午後4時30分から。始まるまでに時間があったので寄り道をしました。向かった先は「ノーベル博物館」。これまでのノーベル賞の歴史を記録して展示しています。この日はアルフレッド・ノーベルの命日なので、「Celebrate the Nobel Day!」と書かれたポスターが貼られて、無料で入れました。(ラッキー!)


特別ツアーには、40人を超える人だかりで大人気でした。


カフェの椅子の裏には・・・

この博物館では、開館当初からずっと続けられていることがあります。それは・・・「カフェの椅子の裏に受賞者がサインをすること」。2012年に生理学医学賞を受賞した山中伸弥先生も、2009年に平和賞を受賞したオバマ大統領もサインをしました。そして、今年物理学賞を受賞した3人のサインもありました!黒い椅子の裏に、白いペンではっきりと書かれています。


「受賞式の後しばらくたったら、カフェの椅子として普通に使われるよ!」と受付スタッフの男性。つまり・・・今カフェで使われている椅子の裏のどこかに、山中先生などの過去の日本人受賞者のサインがあるはず! すべてひっくり返して探したい! しばらくタイミングを伺うも、この日は常に満員で空いている椅子がない・・・。


メダルがざっくざく

続いてショップに向かうと、なにやら神々しい光を放つ眩しい一角が。


おお!これは、ノーベル賞のメダル!・・・の形をしたチョコレート! 山中先生がお土産に1000枚買ったという、話題の商品です。ほかにも、今年の受賞内容の特設コーナーがあり、LEDライトなどが置いてありました。

いよいよ受賞式の会場へ

さて、いよいよ受賞式の会場であるコンサートハウスへ。周囲には警察のバリケードが張られはじめていました。


午後3時15分。辺りが暗くなり始めてきたころにライトアップ!(この時期のストックホルムは、午前9時ごろに太陽が昇りはじめ、午後3時ごろには沈んでしまうんです!)正面にそびえる10本の立派な柱には白いLEDが。壁は青色LEDで照らされていました。


午後3時30分。受賞式まで1時間を切り、多くのリムジンバスが到着。燕尾服やドレスを身にまとった参加者たちが、続々と集まり始めました。中には、3人の受賞者の親族だと思われる着物姿の参加者もいました。


三者三様の水彩画

午後4時30分。受賞式が始まりました。中には入れないので、ノーベル財団のライブ中継に食いつきます。物理学賞がメダルを渡されるのは一番最初。赤崎博士、天野博士、中村博士の順番で手渡されました。


渡されるのはメダルだけではありません。「Diploma」と呼ばれる味のある証書も一緒に添えられます。証書の左側には三者三様の水彩画。街灯のLEDの明かりに照らされる町の様子が描かれています。


晩餐会の会場へ

夢のような時間はあっという間に過ぎ去りました。受賞者たちは受賞式が終わると、晩餐会の会場に向かいます。車に乗り込む瞬間に取材しようと出待ちする日本人の記者やカメラマンに混ざり、私も待ちます。


「It's so cold!」。私が隣のカメラマンに声をかけると、「Stockholm is always cold. ha ha!!」と返されました。そのとき、赤崎先生が現れました!疲れていると思いますが、優しく手を振ってくれました。


車に乗り込んで向かう先は、晩餐会の会場の「市庁舎」。続きは次回。お楽しみに。





高見幸子

自然享受権

自然享受権の良いところは、「自然はみんなのもの」という考え方があるので、レクリエーションで人々が訪れることを踏まえて、海岸沿いや湖畔は私有地にさせないようにして、みんなが美しい自然を楽しむことができるようにしているところ。

そして、権利がある一方「所有者が住んでいる近くに行ってはいけない」「栽培しているものをとってはいけない」「ゴミを捨てたり、自然の動植物に配慮しなければならない」といった義務もある。そのような自然との付き合い方を教えるのが「森のムッレ教室」の役割。

森のムッレ教室

5~6才の子どもたちを対象とした自然教育プログラム。知識を教えるだけでなく、自然を体験し観察することを学ぶ。

 ●五感を通したエコロジーの学び
 五感をフルに使った活動、歌、遊び、ゲームなどがムッレ教室の特徴。五感を通してであれば、5~6歳の子どもたちは、「光合成」や「自然循環」などといった概念を自然に理解できる。

●「ムッレ」というファンタジー
 5~6歳は、空想をめぐらすのがもっとも活発な時期。「ムッレ」との出会いに、子どもたちはワクワク感でいっぱいになります。ムッレを通して子どもたちに語りかけることで、自然を大切にしようというメッセージを子どもたちに分かりやすく伝えることができます。そして、このときの楽しい体験は、一生の宝物となります。

●自然の案内人「リーダー」
 子どもたちを野外に連れ出して野外活動を進めるのが「リーダー」。リーダーは、プログラムを組み立てるほか、子どもたちが自然のなかでさまざまな発見をする手伝いをしたり、エコロジーを学ぶための歌やゲームを率先したりします。リーダーには、そのためのスキルや知識がなければなりません。野外生活推進協会は、リーダーを養成するために「リーダー養成講座」を開催しています。この講座を受けたリーダーは、地域や保育園で森のムッレ教室を開くことができます。
→【Check!】野外生活推進協会のリーダー養成講座

「ムッレ」とは、森に棲む妖精の名前。語源はスウェーデン語の「Mullen(ムッレン)・土壌」です。土は地球上のすべての生物の命の根源であり、人間もまた土とつながっているのだということを伝えたいという願いが込められています。スウェーデンの市民団体「野外生活推進協会」が1965年に始めた。ヨスタ・フロムとスティーナ・ヨナンソンによって開発されたこの自然教育プログラムは、スウェーデン国内の保育園に導入されながら全土に広がり、今日までに200万人もの子どもたち(スウェーデン人の5人に1人)がムッレ教室を体験するまでになっています。
なぜこんなに多くの子どもたち参加できるのか
どんシステムなのか? 保育園にどのように導入しているのか?

さらに「森のムッレ教室」は海を渡り、現在では、ノルウェー、フィンランド、ドイツ、ラトビア、ロシア、イギリス、ヨルダン、韓国そして日本の9カ国で実践されています。日本野外生活推進協会の本部は兵庫県丹波市にあり、日本では東京支部を含めて8の支部が活動を展開しています。

ロゼッタ・フィラエ

概要

欧州宇宙機関(ESA)の探査機「ロゼッタ」が投入した小型着陸機「フィラエ」が、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に着陸した。探査機が彗星に着陸するのは初めて。ロゼッタは2004年に打ち上げられ、10年かけて65億㎞の旅を経て彗星にたどり着いた。

チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星は長さ4㎞、幅3㎞。彗星は、小惑星とともに、「太陽系の化石」と呼ばれ、太陽系誕生のころの物質を保存していると考えられている。惑星系や地球の海や生命の起源につながる貴重なデータが得られるかもしれない。

思うように着地できず!

フィラエは着陸地点を慎重に選んだ後、高度22.5㎞のロゼッタから分離。約7時間かけて彗星に着陸した。(着陸ポイントの名前は「アギルキア」)計画では、探査機上面のガスジェットを噴かし、機体が跳ね上がらないように地表に押しつけながら、銛を打ち込んで固定する予定だった。しかし、ガスジェットが噴かず、銛も打ち込めなかった。機体は大きく2回バウンドして、目標から2㎞ほど離れた地点に着地。着陸場所がくぼ地の縁だったとみられ、3本脚の2本だけが地表に着き、1本は宙に浮いている。彗星の重力はとても弱く、表面から噴出する塵やガスによりフィラエが飛ばされてしまう恐れもある。



電池が切れる!おやすみフィラエ

内蔵電池の寿命は64時間。その後は太陽電池で発電する計画だったが、思ったようにいかなかった。太陽の光を7時間浴びる予定だったが、現地点では1時間半しか浴びることができない。フィラエの向きが予定と違うせいとみられる。ESAはその後、より太陽光が当たるようにフィラエの姿勢を35度回転させる操作をしたが発電できず。

日本時間の15日午前に通信を絶ち、休眠に入った。今後はロゼッタが上空20~30㎞を周回して見守りながら、充電を繰り返すフィラエに「話しかけ」ながら暖かく見守る。来年8月には、太陽に最接近する。復活のチャンスかもしれない。フィラエが再び目を覚ます日を、静かに待ちましょう。

フィラエが届けたデータ

フィラエは電池が尽きるまでの時間と闘いながら、地表の物質や表面付近のガスのデータを集めた。彗星から出ているガスの分析では水や二酸化炭素、メタンなどが検出された。また、「転倒」のリスクを覚悟の上で、地下サンプル採取用ドリルを稼働。壮絶な闘いをしながら、彗星の核から直接獲得したデータを、ロゼッタ経由で全て地球に送り届けた。

また、着陸を待つことなく多目的センサー「MUPUS」で彗星周辺の環境観測を開始していた。MUPUSの一連の機器のうち温度計や加速度計は、発射に失敗した機体固定用のくい(銛)といっしょに収納されていたため、残念ながらそれらのデータは得られなかった。だが機体に取り付けられていた温度分布図作成器は、下降中および3回のタッチダウンの最中にも測定し続け、フィラエの最終着陸点の温度は摂氏マイナス160度より低いことがわかった。

土壌サンプルや気化しやすい化合物の分析を行う「COSAC」からは、着陸直後に大気中の有機分子が検出されている。

プローブ(探針)は塵の層に刺さり、さらにその下の層に進んだが、モーターのパワーを最大に上げても数mmより深く打ち込むことはできなかった。「実験室における計測データと比較してみると、かちかちに凍った氷くらい硬い層に出くわしてしまったと思われます」(MUPUS主任研究員のTilman Spohnさん)という。

温度分布測定とプローブの打ち込みの結果から、彗星表面は厚さ10~20cmの塵の層で覆われ、その下には氷、または氷と塵の混合物の硬い層があるという初期評価が下された。ロゼッタの観測から彗星核全体では低密度であることがわかっているので、さらに深いところでは氷は隙間の多い、すかすかな構造と思われる。

「今後じゅうぶんな電力を得てMUPUSが再び作動すれば、プローブが差し込まれた層を直接観測でき、太陽に接近するにつれて起こる変化を見ることができるでしょう」(Spohnさん)。


▼調査の計画
パノラマ写真撮影やドリルで深さ20cmほどの地表サンプルを採取、電波探査装置を使った内部構造の探査など初期の調査を行う。彗星は、現在、火星と木星の軌道の間にあるが、来年8月に火星の軌道の内側まで太陽に接近する。太陽に近づくにつれて変化する表面の様子を観測する。一方、ロゼッタは彗星の周囲で、彗星から放出されるガスやちりを測定し、太陽接近時の彗星の活動の様子を観察する。

コメント

「小惑星に比べて、彗星は多くの水を含んでいる。地球にある海の水の起源や太陽系初期の様子を知る、重要なデータが得られる可能性がある」(JAXA・吉川真准教授)