高見幸子

自然享受権

自然享受権の良いところは、「自然はみんなのもの」という考え方があるので、レクリエーションで人々が訪れることを踏まえて、海岸沿いや湖畔は私有地にさせないようにして、みんなが美しい自然を楽しむことができるようにしているところ。

そして、権利がある一方「所有者が住んでいる近くに行ってはいけない」「栽培しているものをとってはいけない」「ゴミを捨てたり、自然の動植物に配慮しなければならない」といった義務もある。そのような自然との付き合い方を教えるのが「森のムッレ教室」の役割。

森のムッレ教室

5~6才の子どもたちを対象とした自然教育プログラム。知識を教えるだけでなく、自然を体験し観察することを学ぶ。

 ●五感を通したエコロジーの学び
 五感をフルに使った活動、歌、遊び、ゲームなどがムッレ教室の特徴。五感を通してであれば、5~6歳の子どもたちは、「光合成」や「自然循環」などといった概念を自然に理解できる。

●「ムッレ」というファンタジー
 5~6歳は、空想をめぐらすのがもっとも活発な時期。「ムッレ」との出会いに、子どもたちはワクワク感でいっぱいになります。ムッレを通して子どもたちに語りかけることで、自然を大切にしようというメッセージを子どもたちに分かりやすく伝えることができます。そして、このときの楽しい体験は、一生の宝物となります。

●自然の案内人「リーダー」
 子どもたちを野外に連れ出して野外活動を進めるのが「リーダー」。リーダーは、プログラムを組み立てるほか、子どもたちが自然のなかでさまざまな発見をする手伝いをしたり、エコロジーを学ぶための歌やゲームを率先したりします。リーダーには、そのためのスキルや知識がなければなりません。野外生活推進協会は、リーダーを養成するために「リーダー養成講座」を開催しています。この講座を受けたリーダーは、地域や保育園で森のムッレ教室を開くことができます。
→【Check!】野外生活推進協会のリーダー養成講座

「ムッレ」とは、森に棲む妖精の名前。語源はスウェーデン語の「Mullen(ムッレン)・土壌」です。土は地球上のすべての生物の命の根源であり、人間もまた土とつながっているのだということを伝えたいという願いが込められています。スウェーデンの市民団体「野外生活推進協会」が1965年に始めた。ヨスタ・フロムとスティーナ・ヨナンソンによって開発されたこの自然教育プログラムは、スウェーデン国内の保育園に導入されながら全土に広がり、今日までに200万人もの子どもたち(スウェーデン人の5人に1人)がムッレ教室を体験するまでになっています。
なぜこんなに多くの子どもたち参加できるのか
どんシステムなのか? 保育園にどのように導入しているのか?

さらに「森のムッレ教室」は海を渡り、現在では、ノルウェー、フィンランド、ドイツ、ラトビア、ロシア、イギリス、ヨルダン、韓国そして日本の9カ国で実践されています。日本野外生活推進協会の本部は兵庫県丹波市にあり、日本では東京支部を含めて8の支部が活動を展開しています。