電機メーカー大手の東芝とアメリカのマイクロソフト社の創業者、ビル・ゲイツ氏が、次世代原子炉を共同開発することで交渉を始めた。ベンチャー企業はゲイツ氏が出資する「テラパワー」。昨年11月、ゲイツ氏とテラパワー幹部が来日し、東芝側に協力を求めた。12月には両社が秘密保持契約を結び、技術協力の可能性を探る検討作業に入ったという。
東芝によると、テラパワーが開発を進めているのは「TWR」と呼ばれる次世代原子炉のひとつ。現在世界で稼働している「軽水炉」が使う濃縮ウランを燃料とせず、天然ウランやウランを濃縮する際にできる副産物の劣化ウランを使う。実現すれば、放射性廃棄物を減らせるうえ、数年おきに燃料交換が必要な既存の原子炉と違い、最長で100年程度にわたり燃料交換の必要もないという。
東芝は独自に「4S」と呼ばれる小型新型炉の実用化をめざしている。TWRと共通する技術も多いため、テラパワーとの提携に利点があるかを検討しているとみられる。ただ、極めて長い期間の核反応に耐えられる原子炉用素材の開発や、安全性の検証なども必要で、TWRの実用化に向けたハードルは高い。
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