原子重力波の検出


装置

BICEP:Background Imaging of Cosmic Extragalatic Polarization
ハーバード大学・スミソニアン天体物理学センターなどによる「BICEP2プロジェクト」

宇宙マイクロ波背景輻射(CMB)

宇宙が生まれてから38万歳の若々しい姿
(COBE WMAP Planc)

CMBから分かる情報
①温度ゆらぎ
②特定の振動方向を持って「偏光」する

→「偏光」とは・・・?
偏光とは、電場および磁場が特定の方向にのみ振動する光のこと。
散乱や反射をすると偏光する。
CMBは、宇宙の晴れ上がり直前の電子と散乱したため、偏光している


→サングラスと偏光の関係は?
夏の日差しがまぶしいときに、特定の方向の偏光を遮断するサングラスをかけると、
建物や地面で反射された偏光がさえぎられて景色が見えやすくなります。

−270℃(3K)のマイクロ波
100mKの「温度のゆらぎ」がある。
原始宇宙には密度のゆらぎが存在していた
ゆらぎがあったから、銀河が生まれ、星が生まれ、私たちが生まれた

▼偏光


EモードとBモード

▼Eモード
「湧き出し」


▼Bモード
「渦」
偏光成分が全体で渦を巻いているような模様の偏光のこと
Bモード偏光の「渦巻きの半径」「巻き方の強さ」を調べる
原始重力波は大きな半径の渦巻きとして痕跡を残すと考えられている
大きな渦半径のBモード偏光が発見されれば、
インフレーション理論の証拠となり、インフレーションの規模を見積れる。
また、小さな渦半径のBモード偏光は、重力レンズ効果に敏感で、
重いニュートリノの質量への制約や暗黒物質の速さ分布などの成果が期待されている





Bモード偏光が起きるのは2通り。
①原始の重力波(今回初検出!)
②ビッグバンの後にできた銀河による重力(重力レンズ効果)(2013年7月に観測済み)

Bモード偏光のほとんどは、Eモード偏光が重力レンズ効果で曲げられたもの
今回は原始重力波を起源とするCMBのBモード偏光を確認し、
間接的に原始重力波を観測した。
→インフレーション理論の証拠につながる

Bモード偏光は弱い!
温度ゆらぎは0.4μK。CMBの温度ゆらぎの約1000万分の1を占める

→なぜ原始重力波からBモード偏光が起こる?

インフレーション理論とは

ビッグバンの前に宇宙が急激に膨張した時期
(10^-36秒の間に、宇宙の大きさが10^26倍になった)
急激な膨張で、宇宙の空間や時間、物質が揺らいだ
この時間や空間のゆらぎが「重力波」となり、
宇宙の晴れ上がりまで伝わったと考えられている
初期の宇宙の重力波は、CMBの偏光にBモードと呼ばれる渦状のパターンを引き起こす
米国のアラン・グースや佐藤勝彦らが提唱した

Bモード偏光が起きるのは2通り。
①原始の重力波(今回初検出!)
②ビッグバンの後にできた銀河による重力(重力レンズ効果)(観測済み)
今回は原始重力波を起源とするCMBのBモード偏光を確認した
→インフレーション理論の証拠につながる

重力波とは

重力波は一般相対性理論で予言されたもので、
時空をゆがめる事象が運動する事で必ず発生する


▼結果
宇宙初期の量子ゆらぎでできた重力波の強さを表す「r比」と呼ばれる量が約0.2
r比が0.2ということは、インフレーションのエネルギーが、
ヒッグス粒子の質量をエネルギーに換算したものより14桁も大きい。
一方、一般相対論と量子力学を統合する「プランク・スケール」と比較すると、2桁下

▼佐藤雅彦さん
「今後は直接、重力波を測定し、宇宙の生まれた瞬間の『写真』を出してほしい」

▼今後のつながり
① 原始重力波を間接的に観測した
② 原始重力波の存在が確認できれば、インフレーション理論の証拠になる
③ 光での観測では、宇宙の晴れ上がり以降の38万年以降の宇宙しか観測できない
  電子が自由に動くプラズマ状態だったので、光がまっすぐに進めなかったから
  しかし、重力波はプラズマに関係なく進めるので、
  重力波が観測できれば、宇宙の晴れ上がり前の宇宙を“直接”観測できる
④ 一般相対性理論と量子力学を結びつける