フューチャーセンターをつくろう

フューチャーセンターとは何か

創造的なワークショップのファシリテーションという「機能」を提供し、
対話やアイディア創出という「活動」を行う概念。

論理的分析だけでは解決できない問題に対して、
「対話」「未来思考」「デザイン思考」の力でブレークスルーする場

もともとは北欧で始まった「未来の知的資本を生み出す場」

「知的資本」とは、
「人的資本」人の成長
「構造的資本」アイディアの創出
「関係性資本」新しい人と人とのつながり

「良い場」とは、
参加者が多くの「気づき」を得て、
何か「行動を起こしたくなる」ような、
新たな「関係性が生まれる」こと

6つの原則

① 想いを持った人にとっての大切な問いから、すべてが始まる
 【信頼感】
 社会全体を考えた情熱のある「問い」から始まる。
 想いを持った人が不可欠。
 ファシリテーターが場を信頼することが大切。

② 新たな可能性を描くために、多様な人たちの知恵が一つの場に集まる
 【多様性】
 多様な人たちを集める。
 国籍、性別、年齢、思想、階層、業界、職業、専門性など。

③ 集まった人たちの関係性を大切にすることで、効果的に自発性を引き出す
 【関係性】
 問題解決よりも人間関係を大切にする。おもてなし。
 一人ひとりの話をきちんと聴く。
 できるだけ少ない人数に分かれて、対話の機会を多くつくる。

④ そこでの共通経験やアクティブな学習により、新たなより良い実践が創発される
 【全体性】
 全員で協同作業を行うことで、「社会を変える同志になるかも」と感じる。

⑤ あらゆるものをプロトタイピングする
 【可視性】
 目に見える形に表現してみる。絵や図、物語など。

⑥ 質の高い対話が、これからの方向性やステップ、効果的なアクションを明らかにする
 【安心感】
 対話により「一緒にやりたいこと」が生まれる。
 そこには、目指したい方向性の共有があり、
 具体的なステップのイメージが物語として共有されている。

フューチャーセンターの方法論

①対話の方法論(Art of Hosting)
 「ワールドカフェ」
  テーブル全体に広げた模造紙に、自由にカラフルにメモを描きながら話し合う。
  メンバーを変えながら複数回話し合う。アイディアが他花受粉する。
  
 「Open Space Technology」
  参加者が主体的にテーマを提案し、対話を行う。
  マーケットプレイス、セッション、ハーベスト(収穫)

 「Appreciative Inquiry」
  問題ではなく、うまくいっていることや強みに注目する問いから始める、
  ポジティブ・アプローチと呼ばれる対話の方法論。
  ・すでに効果があることをDiscover(発見)する
  ・それを発展させたらどうなるかDream(夢)を描く
  ・次に起こりうることをDesign(デザイン)する
  ・デザインされたものをDestiny(運命)にする

 「フィッシュボウル」
  対話を深めつつ、参加者全員で共有するための対話の方法論。
  中心に対話をする人を円形に置き、さらに外側に聴く人を円形に配置する。
  外側の人はメモを取るなど、真剣に聴くことに価値がある。

②未来思考の方法論
 「未来スキャニング」
  テーマに影響を与える要因「変化の兆し」を抽出する。
  その要因を組み合わせて、起こりうる未来を洞察する手法。

 「シナリオプランニング」
  不確実な変化を生み出す深層要因を洞察し、
  あり得る未来への展開について複数の仮設(未来シナリオ)を立て、
  それに基づいて意思決定や判断を行うための戦略を決める手法。

 「フューチャーサーチ」
  すべてのステークホルダーが集まり、具体的な課題に取り組む手法。
  ・過去を振り返る
  ・現在を探求する
  ・理想的な未来のシナリオ作る
  ・コモングラウンド(共通のよりどころ)を明確化する
  ・アクションプランを作る

③デザイン思考の方法論
 「ユーザー観察」
  偏見なく人間の行動を見て、新たな洞察や気づきを得るための方法。

 「ブレインストーミング」
  集団でアイディアを出し合い、連鎖することで、発想を誘発する方法。
  ・良い・悪いの判断をしない(結論厳禁)
  ・ワイルドなアイディアを歓迎する(自由奔放)
  ・アイディアの量を求める(質より量)
  ・アイディアを結合し発展させる(結合改善)

 「経験プロトタイピング」
  ユーザーが新たに味わう経験を、目に見えるかたちに具体化する手法。
  やり方は多彩で、絵コンテや紙芝居、物語、芝居など。
  「こんな経験があったら」という仮説を実際に経験してみる。

ファシリテーターに大切なこと

創発された良いアイディアを逃さずつかみ取り、
全員の目に入る場所に大きく提示すること。

ネットワークで社会を変えていく想像力。