概要
小惑星探査機「はやぶさ2」は「はやぶさ」の後継機。目的は生命の原材料となった有機物の起源を探ること。有機物や水が含まれると考えられている小惑星を探査して、サンプルを持ち帰ることが最大のミッションです。打ち上げられる時刻は、11月30日(日)午後1時24分48秒。その後2018年夏に小惑星に到着。1年半滞在しながら地下物質の採取に初めて挑戦し、2020年に地球に持ち帰ってくる計画です。
探査するのは地球に接近する軌道を持つ小惑星のひとつ「1999JU3」。大きさは900mほどで、自転の周期は約7.6時間。
小惑星ってなに?
小惑星は、太陽系小天体のうち成分が分散する尾がないものの総称。尾を引いているものは「彗星」と呼ばれる。小惑星の多くは火星と木星の軌道の間を公転している。ミッションの流れ
2014年11月30日 打ち上げ
打ち上げ後、地球に近い軌道を描いて太陽を1周し、約1年後に地球の近くに戻ってスイングバイを行います。
2015年末 地球スイングバイ
スイングバイ後は、小惑星1999 JU3の軌道に近い軌道に入り、太陽を約2周したあと、1999 JU3に到着。1999 JU3が1周あまり太陽の周りを公転するあいだ、小惑星探査を行います。
2018年夏 小惑星に到着 ~約18ヶ月滞在
その後、1999 JU3を離れて、太陽の周りを1周弱回った後、地球に帰還します。
2020年末 地球に帰還
ミッションの目玉
今回のミッション最大の目玉は、小惑星の地下物質を採取すること。初号機「はやぶさ」が持ち帰った微粒子の分析で、小惑星の表面は太陽の影響で変質していることがわかっており、地下物質はそうした影響を受けていないものがあると期待されている。表面に人工クレーターをつくり、太陽の熱や太陽風の影響を受けていない地下物質も持ち帰る。その成否の鍵を握る装置が、クレーターをつくる「衝突装置」。円錐形のステンレス製の本体と銅製の底板でできた容器に、爆薬が詰められています。爆発で底の直径約25センチの銅板が秒速2キロで発射され、勢いで丸く変形しながら小惑星に衝突、クレーターをつくる。
クレーターができた小惑星から試料を採取するのは「サンプラホーン」。長さ1メートルの筒型の装置だ。先端が着地した瞬間に小弾丸を撃ち、舞い上がった石や砂などを集める。