カート・ヴォネガット


1. 赤の他人に時間を使わせた上で、その時間は無駄ではなかったと思わせること。

2. 男女いずれの読者も応援できるキャラクターを、少なくとも一人は登場させること。

3. たとえコップ一杯の水でもいいから、どのキャラクターにも何かを欲しがらせること。

4. どのセンテンスにも二つの役目のどちらかをさせること。登場人物を説明するか、アクションを前に進めるか。

5. なるべく結末近くから話を始めること。

6. サディストになること。どれほど自作の主人公が善良な人物であっても、その身の上に恐ろしい出来事を降り掛からせる。自分が何からできているかを読者に悟らせるために。

7. ただ一人の読者を喜ばせるように書くこと。つまり、窓を開け放って世界を愛したりすれば、あなたの物語は肺炎に罹ってしまう。

8. なるべく早く、なるべく多くの情報を読者に与えること。サスペンスなぞくそくらえ。何が起きているか、なぜ、どこで起きているかについて、読者が完全に理解しなくてはいけない。たとえゴキブリに最後の何ページかを噛じられてしまっても、自分でその物語を締めくくれるように。