原発高齢化問題


 敦賀原子力発電所1号機(福井県・35.7万kW)が2010年3月、商業用原発としては国内で初めて運転開始から40年を迎える。国内で運転から40年を迎える原発は14年末までに7基にのぼり、そのほとんどが運転を継続するとみられ、日本は「高齢原発時代」に入ることになる。

 原発の寿命について、国に特に規定はないが、電力各社は当初30~40年の運転を想定していた。しかし、原発の新規立地が難しく、増設にも地元同意に時間がかかることから、資源エネルギー庁は96年に「安全性を確認すれば60年運転しても健全性は確保できる」との判断を示していた。原子炉の性能は変わってないのに耐用年数だけを延ばした。

 経済産業省原子力安全・保安院は09年9月、敦賀原発1号機の10年間の継続運転を認可。日本原電は、3号機を運転開始する16年に、1号機の運転を停止すると決めた。

 運転延長に基づく定期検査は、当初は09年7月に終える予定だったが、制御棒駆動水圧系統の弁13台に傷を発見。補修のため4回も検査期間が延び、営業運転再開は半年遅れる見通しだ。

今後運転開始から40年を迎える原発
  ① 日本原電敦賀1号機   2010年3月
  ② 関西電力美浜1号機   2010年11月
  ③ 東京電力福島第一1号機 2011年3月
  ④ 関西電力美浜2号機   2012年7月
  ⑤ 中国電力島根1号機   2014年3月
  ⑥ 東京電力福島第一2号機 2014年7月
  ⑦ 関西電力高浜1号機   2014年11月