「世界最強の生物」と聞いて、何を思い浮かべるだろうか?
ライオン、クマ、ゾウ、クジラ・・・。
巨大でどう猛な動物を、想像するかもしれない。
しかし、あらゆる環境に耐えられる「防御力」の高さを考えると、
「クマムシ」の右に出るものはいないだろう。
クマムシって何者?
クマムシは、8本のずんぐりした足で、のっそり歩く無脊椎動物です。足の先にはとがった爪。形がクマに似ていることから「クマムシ」と呼ばれます。体長は0.05mmから1.7mmほど。大きいものは、目を凝らせば肉眼でも見えないことはありません。深海底から高山まで、どこにでもいる身近な生物なんです。
眠ると、すごいんです
こんなに小さな生物が、なぜ「地球最強の生物」なんて言われるのでしょうか?
実は、こいつ“眠る”とすごい威力を発揮するんです!周りが乾燥すると、体を縮めて“樽”のような形に。代謝がほぼ止まって死んだようになる「乾眠」状態になります。こうなると、誰も手を付けられません。といっても、優れているのは「攻撃力」ではなく「防御力」。ありとあらゆる環境に耐えられるようになるのです!
乾眠からの復活
何をしたってへっちゃら!
まずは、温度。皆さんは何度まで耐えられますか?クマムシは、ほぼ絶対零度のマイナス273℃から150℃まで耐えられます!そして圧力は真空から75000気圧まで。75000気圧というのは、人差し指の先に75トンの力がかかるほどの圧力です!さらに、耐えられる放射線量は、人間の致死量の100倍以上。DNAが傷ついても、自分で修復できるんです!煮るなり焼くなりされた乾眠状態のクマムシですが、水をかけると再びムクムクと動き出します。蘇った実験室での最長記録は10年。120年後に生き返ったとされる“伝説”もあるんです!
クマムシ、宇宙へ
こうなると、さらに期待が高まります。こんなにタフなら、宇宙に連れて行っても大丈夫なんじゃない?というわけで、クマムシは2007年、欧州宇宙機関(ESA)の衛星に乗って宇宙へ旅立ちました。そしてなんと、過酷な宇宙空間を10日間も耐えぬきました!小さい体ですごい力を秘めた「世界最強」のクマムシ。あなたのすぐ近くの苔の中にも潜んでいるかもしれません。時間があるときに、探してみてはいかがでしょうか?
0 Comment:
コメントを投稿