ベンチャー企業「スパイバー」(山形県鶴岡市)が、
世界初となる次世代バイオ素材「合成クモ糸」を開発した。
背景
クモの糸は、鋼鉄を上回る強度と、ナイロンを上回る伸縮性を持つ「世界で最もタフな繊維」
縦糸は強度が高く、横糸は伸縮性に富んでいる。
破壊されるまでに吸収できるエネルギー「タフネス」は、
防弾チョッキに使われているアラミド繊維の7倍。
300度の耐熱性。重さは鋼鉄の6分の1と軽い。
クモは縄張り争いや共食いが激しく、
蚕のように人工飼育できないため、
工業化は困難とされてきた。
作り方
0クモの糸を構成するタンパク質「フィブロイン」をコードする遺伝子を解読。①<遺伝子組み換え>微生物の遺伝子を組み換える。
②<微生物発酵>物由来の糖を発酵させる工程で、フィブロインを大量合成させる。
③<紡糸>フィブロインを溶かす安全な溶媒を発見。
組み込む遺伝子を変えて、繊維の性質を変えられる。
(?)クモ糸のアミノ酸配列は繰り返し配列が極めて多く、
既存手法では人工合成が困難だった。
応用
加工によって繊維、フィルム、ゲル、スポンジ、パウダー、ナノファイバーと様々な形態での供給が可能。
自動車や航空機の部品、医療機器など、さまざまな応用が期待されている。
石油に依存しない
タンパク質を合成する微生物の栄養源はバイオマスなので、原料を石油に依存しない持続可能な繊維。
【これまでの繊維はどうやって作っていたのか】
今後の計画
2013年中に月間100kgを供給できる体制を整備。「小島プレス工業」と連携して約7億5千万円を投じ、
山形県鶴岡市に生産拠点を新設する。
当初は年産1.2トンだが、
用途開発を進め15年には年産10トンに能力を拡大する。
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