ASIMO

ASIMO

ASIMO = Advanced Step in Inovative Movility
本田技研工業が開発し、ホンダエンジニアリング株式会社が製造している、
世界初の二足歩行ロボット。

▼3つのセンサ
・視覚センサ(高ダイナミックカメラ)
 目のところに付いているカメラで撮影した画像から、
 輪郭の特徴をつかんで、人を識別する。

・床面センサ(自己位置補正カメラ)
 へそから下を見ている赤外線センサとCCDカメラ。
 赤外線センサは、足元から2m先の床面と障害物を検出。
 CCDカメラは床面上のマークを認識し、地図情報とのズレを補正する。

・超音波センサ(全周囲障害物センサ)
 お腹から超音波を発して、3m先の人や障害物を検出。
 視覚センサでは捉えられないガラスなどを見つける。


▼手首に力覚センサ
 手首に搭載した力覚センサで、左右の腕の力を調整。
 握手や手つなぎ歩行、ワゴン運搬、トレイの受け渡しなどができる。

▼6km/hで走るときには0.08秒、宙に浮いている。

歴史

▼Eモデル
 「Experimental Model」は、歩行の原理を研究する実験機で脚部のみ。

▼Pモデル
 「Prototype Model」は、完全自律歩行を目指した試作機で、
  上半身も開発され、より人型に近づいた。

▼ASIMO
     身長  体重   歩く速度  走る速度  電源  稼働時間
(2000)120cm  52kg  1.6km/h        Ni-H   30分
(2004)130cm  54kg  2.5km/h   3km/h  Li-ion 40分-1時間
(2005)130cm  54kg  2.7km/h   6km/h  Li-ion 40分-1時間
(2011)130cm  48kg  2.7km/h   9km/h   ?  40分(自動充電機能)

応用

ヒューマノイドロボット研究で培った、
「二足歩行技術」や「バランス制御技術」を応用している。
「UNI-CUB」「体重支持型歩行アシスト」
 原発事故が起こった福島第一原発で作業する「高所調査用ロボット」

対話

→ASIMOにどんなことをしてもらいたいですか?
実は、東日本大震災の後に、あることをしてほしいという意見が殺到したんです。
→なんだか分かりますか?
「ASIMOを原発に派遣できないか」って声です。
開発者は、ASIMOは無理だが、培った技術は何かの役に立つと考えました。
「バルブ開閉用作業アームロボット」を3ヶ月で開発。現場投入はできなかった。
続いて、原発内の細部をモニタリングする「高所調査用ロボット」を開発。
2013年6月18日、福島第一原発で稼動を始めました。

高所調査用ロボット


アームの先端に、線量計やカメラ、レーザーレンジファインダーを設置。
放射線量の測定や線源の特定、詳細な画像や三次元形状データの確認をしている。
最長7mまで伸びる。

ASIMOの開発で培った、技術を応用している。
・三次元のポイントクラウド(点群座標)により、構造物を立体的に表示する技術
・多関節を同時に制御するシステム
・アームが周囲の構造物に接触した際にその衝撃を吸収する制御技術