導電性高分子

導電性高分子


電気を通す高分子のこと。通常のポリマーは絶縁材料だが、1970年代に炭素-炭素の2重結合と単結合が交互に結合したポリアセチレンにハロゲンを添加(ドーピング)することによって、金属並みの導電性が発見された。

展示のクローバーは、
(正極)ポリアニリンを塗ったPETフィルム
(負極)ITO - PETフィルム

          安定性  透明性  成膜性
ポリチオフェン系   ◎    ◎    ◎
ポリアセチレン系    ×     ×    ○
ポリアニリン系    ○    ○    ○
ポリピロール系      ◎     ×     ×



白川英樹さんの発見

真っ黒な「粉」しかできないと考えれていたポリアセチレンだが、「薄膜」ができた。ポリアセチレンは触媒を溶かした液にアセチレンガスを吹き込み、溶液中で重合させてつくる。原因は、触媒溶液濃度の単位で「m(ミリ)」を見逃し、1000倍の触媒を加えていたからだった。金属光沢を放っていたので、電気が通るかもしれないと考えたが、通らなかった。10年後、マグダイアミドさん(無機化学)とヒーガーさん(物性)と共同研究。化学ドーピングという発想で、金属並みに電気が流れた。
「セレンディピティ」偶然にも幸運な発見をする潜在的な力

応用

▼タッチパネル(iPhone、ATM)
▼リチウムイオン電池の電極
▼有機EL
▼有機薄膜太陽電池