無理なダイエットは禁物!絶食1500日!



 1500日以上、何も食べていない生物がいる。三重県鳥羽市の鳥羽水族館にいる、深海生物「ダイオウグソクムシ」だ。周りの心配をよそに、きょうも絶食を続けて水槽を優雅に歩いている。


 ダイオウグソクムシは、世界最大のダンゴムシの仲間。体長は20~40cmで、大きいもので50cm近くにもなります。メキシコ湾やカリブ海の海底約170~2000mに生息しています。複眼は3500個の個眼からできている。海底に沈んだ動物や魚の死骸を食べることから「深海の掃除屋」の異名を持つ。大型の割に小食で、飢餓に強い。エサが少ない環境で、巨大に育つ理由は分かっていない。


 鳥羽水族館では、3匹を飼育している。絶食中のダイオウグソクムシは、2007年9月にメキシコ湾からやってきた。体長29センチ、体重約1kgの雄。「No.1」と呼ばれている。2009年1月2日にアジ1匹を食べて以来、餌に見向きもしなくなった。イカの足やサンマ・・・。いろいろ試したが、口にしなかった。

絶食は5年目に突入!
→なぜ「No.1」と呼ばれているのか
→エサを食べさせる努力

 Youtubeにある動画「1432日目の挑戦」では、えさやりを担当する飼育員の苦労がうかがえます。この動画は、ある日のえさやりの光景を映したもの。最初にサンマを水槽の中に落とします。「あっ!何かが落ちてきた!」てな感じで、のしのしサンマに近づいていく!が・・・食べない。しびれを切らした飼育員が、ダイオウグソクムシを「がしっ」とわしづかみし、口をサンマに無理矢理押し付ける!が・・・食べない。
 まだまだ、めげません。次に取り出したのはブリの切り身。今度は自らブリに近づいていきます。ブリの上に足をかけた!今度こそ!が・・・ブリを踏みつけてそのまま通り過ぎてしまいました。飼育員は水槽の中に視線を落として、ため息とともに頭をうなだれます。残念!

動画「1432日目の挑戦」





<人>飼育研究部・森滝丈也 さん