序章 ものすごく小さくて大きな世界
村山さんの問いかけ「宇宙はどうやって始まったのだろう?」
「どういう仕組で動いているのだろう?」(基本法則はどのようなものだろう?)
「星は何でできているのだろう?」(物質は何でできているのだろう?)
「どうして、私たちはこの宇宙にいるのだろう?」
「宇宙は、これからどうなっていくのだろう?」
ガリレオ・ガリレオが1609年、初めて空に天体望遠鏡を向けた。
木星の4つの衛星を発見。地球が太陽を回っていてもおかしくないと考えた。
「天動説」から「地動説」への転換。
【宙と粒の出会い】
この世で一番大きいのが宇宙で、一番小さいのが素粒子。
宇宙は10の27乗m、素粒子は10の-35乗m。
宇宙研究と素粒子研究の間には62ケタもの「距離」がある。
まったく関係なさそうに見えるこの2つが、実は密接につながっている。
その背景にあるのが「ビッグバン宇宙論」。
宇宙の歴史をさかのぼると、サイズがどんどん小さくなる。
まさに「素粒子の世界」。
ギリシャ神話に登場する「ウロボロスの蛇」。自分の尾を飲み込んでいる。
古代ギリシャの「世界の完全性」を表すシンボル。
宇宙という頭が、素粒子という尾を飲み込んでいる。
宇宙の果てを追いかけると素粒子があり、
小さなものを追いかけると宇宙がある。
10^27 観測できる宇宙のサイズ
10^23 銀河団
10^20 天の川銀河
10^11 太陽系
10^7 地球
10^3 富士山
10^-1 りんご
10^-10 原子
10^-15 原子核
10^-19 クォーク
10^-35 ひも理論での素粒子
第1章 宇宙は何でできているのか
「天上」と「地上」は「別の世界」ではない。遠くの星も地球と同じものでできている。
だから物質の根源を探る素粒子研究と、宇宙研究がつながる。
物質が同じなら、支配する物理法則も同じ。
「天上」と「地上」に違いはない。
第5章 暗黒物質、消えた反物質、暗黒エネルギーの謎
暗黒物質は、反応の弱い重い粒子「Weakly Interacting Massive Particle」だと考えられている。
軽い超対称性粒子が暗黒物質の有力候補のひとつ。
XMASS
液体キセノン1tを丸い機械の中に入れ、
ノイズをシャットアウトするために、水のタンクに吊るします。
液体キセノンの原子核に、暗黒物質がぶつかるのを待つ。
ぶつかると、わずかに光が生じる。その光をキャッチする。
▼宙と粒の出会い
加速器での検出と、観測装置での捕捉。
両方がそろって、データが一致したときに、
暗黒物質の正体が初めて明らかになる。
宇宙から届く暗黒物質と、実験室でつくられた暗黒物質は、
まさに「ウロボロスの蛇」の頭と尻尾だと言える。
あとがき
「こんなことを調べて、何の役に立つんだ?」いつもこう答えています。
「日本を豊かにするためです」
豊かには、経済的な意味だけでなく、心、精神、文化の豊かさも含んでいます。
0 Comment:
コメントを投稿