ユノハナガニ


【特徴】
 水深420〜1380mの深海の、熱水噴出孔の近くに生息している。和名は「ユノハナガニ」。体の色が白く、温泉に舞う湯の花にちなんで名付けられた。学名は2000年に「Austinograea yunohana」とされたが、2007年に「Gandalfus yunohana」に改められた。眼の退化が進んでいて、目と頭部を繋ぐ組織「眼柄」を動かせない。角膜は皮下に埋もれることなく見えるが、色素はない。雌の方が雄よりも一回り大きい。
→眼柄について調べる

「ユノハナガニの視覚器官は白色で一部が少しだけへこみ、その部分のみ灰色であり、わずかな光受容膜が観察された」(平岡礼鳥・東京海洋大学)


【生態】
 近くに生息するハオリムシを食べている。眼が退化している代わりに、匂いには敏感。魚肉などのえさを入れたかごを置くと、「我先に!」とかごに殺到するらしい。

「飼育しているときには、①大きいユノハナガニは熱源があるほうが生存期間が長い②小さい ユノハナガニは熱源がなくても生存できる③背中や腹部を熱源に当てる」(Miyake et al., 2007)

えさを食べた後に、20〜25℃の熱源を好む行動が観察された。これは温度上昇による消化酵素の活性が関係していると考えられている(池田周平・北里大学)


【生態系の違い】
▼太陽光の生態系


▼化学合成生態系



【なぜ大気圧でも生きていられるのか】



【3匹の見分け方】イラスト付きで
①かぐや 左の爪が割れている。




▼メモ
 熱水噴出孔は、遠赤外線の先に、可視光を含む微弱な光を発している。